

きょうは、ふと、あらためて思い出したことを書いてみます。
それは、英語には英語でしか感じられないニュアンスが存在する。ということです。

日本語にもありますよね。
あ、地方の方言などにもありますよ。
標準語でなんて表現したらいいのかわからない言葉。

A子さんの”A語(英語ではない)”は時々わからないよね。

なんでじゃぁ~!!
ただの〇〇弁やんけぇ~っ!!

で、では、本題に戻ります…。
英語でしか感じられないニュアンス

わたしが、初めてこれを強く感じたのは、テレビで二ヶ国語放送の映画を観ていたときのことでした。
(二ヶ国語放送なので、当然、字幕はなしです)
じつは、その映画のタイトルも、どんな映画だったのかも覚えていないのですが(^^;
その中のワンシーンだけはいまでもハッキリ覚えています。

それだけ印象的だったんですね。
そのシーンの状況を説明すると…
戦争映画か何かで、数十名の兵士たちが、上官から、これから参加する軍事作戦の説明を受けているところでした。
兵士たちの一部は、上官の説明中にもかかわらず、「お偉方は何にもわかっちゃいない」という感じでお互いに意見を交し合っています。兵士全体も、ちょっとだらけた感じでした。
上官は説明が終わると、最後に「諸君、幸運を祈る」と言います。
このセリフの部分が問題です。

Good luck.
上官が ”Good luck.” と言っても、だらけた雰囲気はかわりませんでした。
ところが…
その上官が最後に付け加えた言葉で、兵士全体が一瞬にして
姿勢を正し、ピリッとなったのです。
その言葉とは、これです。

Gentlemen!
たったこの一言で、場の空気がガラッとかわりました。
日本語に訳してしまえば、「紳士諸君」という意味ですが、英米人とって、”gentlemen” と呼びかけられることがどれほど大きな意味をもっているかが、感じ取れたシーンでした。
日本語の吹き替えで何と訳しているかは、正確には分かりませんがおそらく日本語として自然なように「諸君、幸運を祈る!」と訳していると思われます。
その場合、「紳士」というニュアンスが抜け落ちてしまいますし、兵士たちがピリッとするのは、「幸運を祈る!」の部分になってしまいます。

そもそも、日本語で「紳士諸君」と呼びかけられても、いまひとつピンと来ないように感じるのは、おそらく私だけではないでしょう。
(もっとも日本の兵士なら、そんなこと言われなくても、最初からピリッとしているでしょうが…(^^;)
やはり、英語で聞いて、”gentlemen” という言葉に対する兵士たちの反応を目にしないと、理解できないニュアンスだと思います。
これは単なる一例にすぎませんが、こうした例はいくらでもあります。
英語を日本語に訳すことはもちろん可能ですが、英語のもつ微妙なニュアンスをすべて日本語に訳出することは、ほとんど不可能に近いと言っていいと思います。

ですから、もともと英語で作られた作品(映画や小説など)を本当に楽しもうと思ったら、やはり直接、英語で理解できるようになることが、どうしても必要ではないかと思っています。

なるほど~!!
英語で理解する…そこを目指します!
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