

今日はちょっとクリスマスカードについて書こうと思います。
クリスマスカードは、米国の場合、 Thanksgiving Day(感謝祭)が終わったあとに出し始めます。感謝祭は、毎年11月の第四週目の木曜です。
ちなみに、日本ではあまり知られていませんが、感謝祭は米国人にとって大切な休日で、遠くはなれて暮らしている家族が、感謝祭のために戻ってくる、なんていうことも、よくあるようです。

感謝祭について深入りすると、文章が長くなってしまうのでこれらくいにしておいて、クリスマスカードの話に戻りますね。
イギリスには感謝祭はありませんが、やはり11月末ごろからクリスマスカードを出し始めます。
ところで、クリスマスカードにはどんなメッセージを書いたらいいのか?と悩むかたもいらっしゃるようです。
結論から先にいうと、とくに何も書かなくてもOKですし、書いてもOKです。

もちろん、相手を不快にさせるような内容は論外ですよ。
通常、クリスマスカードには、Happy Holidays! とか I wish you a merry Christmas! とかいった決まり文句が印刷してあります。
ですから、ほとんどの人は、カード上部に、Dear Mike とか Dear Nancy など相手の名前を書いて、一番下に自分の名前をサインだけします。そして、クリスマスカードを入れる封筒に宛先と自分の名前・住所を記入して投函します。
日本の年賀状と同じで、人によっては数百枚出す場合もあるようですから、いちいちメッセージを書いてられない、といった感じなんでしょうね。ですから、日本人が外人宛に出す場合も、基本的には同じでいいと思いますよ。
なかには、ちゃんと相手に宛てたメッセージを書き加える人もいます。それこそ、年賀状に書くような内容でOKです。

とくにメッセージは思いつかないけど、何か一言書き加えないと気持ち悪い…という場合でしたら、以下のような決まり文句を、ひとつ書き加えればよいと思います。
May peace, joy and happiness be yours this holiday season.
(このクリスマスの時期、安らぎと喜びと幸せがあなたと共にありますように)
Best wishes for a Happy Christmas and a joyful New Year.
(楽しいクリスマスと喜びに満ちた新年になるよう祈っています)
I wish you a Merry Christmas and a Happy New Year.
(よいクリスマスになりますように。そして、よい新年になりますように。)

なお、調べているうちに、こんな表現を目にしましたので、ご参考まで。
Because cards are usually exchanged year after year, the phrase “to be off someone’s Christmas card list” is used to indicate a falling out between friends or public figures.
英語版のWikipedia より引用
(クリスマスカードはふつう毎年交換するものなので、「クリスマスカードのリストから外れている」というフレーズは、友人同士や有名人同士の仲たがいを示すのに使われる。)

“to be off someone’s Christmas card list” という表現は、私も初めて知りましたが、日本には年賀状の習慣があるだけに、ニュアンスが分かっておもしろいですよね。
クリスマスカードを出す欧米の習慣は、一種の年中行事になっている点、友人・知人や顧客に対するあいさつとして出す点など、日本の年賀状とよく似ています。

しかし、もちろん異なる点もあります。
そのひとつは、年賀状と違って、クリスマスカードの場合、郵便局は投函されたものから、どんどん相手先に届けてしまうということです。
日本だと年賀状を早めに投函しても、郵便局が年賀状を選り分けて、1月1日に着くように手配してくれますが…。
欧米の郵便局は、クリスマスカードを選り分けてクリスマス当日に一斉に届けるなんてことはしません。
というのも、そんなことをする必要はないからです。
クリスマスカードは一般に、11月末~クリスマス当日までに届けばよい、とされているからです。
ただし、クリスマスイブまでに届くように投函すべきだという人もいます。
それに、クリスマスが過ぎてから届くと縁起が悪い、とも言われています。
いずれにしても早く届く分には構わないわけです。
クリスマス前は、クリスマスカードなどの郵便物が混みあうため、いつもより配達が遅れてしまうことも、よくあります。
ですから、海外にいる友人・知人にクリスマスカードを出すとしたら、なるべく早めに投函しておくに越したことはありません。
また、日本の年賀状と異なるもうひとつの点は届いたクリスマスカードを家の中に飾って楽しむ習慣があるということです。それはクリスマス当日まで続きます。

この習慣があるからこそ、クリスマスカードが早く届いてしまっても構わないわけですね。
欧米でもクリスマスカードをメールで済ませる人が増えてきつつあるようです。
でも、昔ながらの伝統にしたがってクリスマスカードを家の中に飾りたいと思う人にとっては、ふつのカードでもらったほうが、きっと嬉しいでしょうね。
さて、「無宗教」の日本人が忘れがちなのが…
クリスマスとは基本的に、クリスチャン(キリスト教徒)の行事だということです。
欧米にはクリスチャン以外の人もいますから 誰にも彼にも、Merry Christmas! というカードを送ってよいとは限りません。
クリスチャンでない人にカードを送る場合は、Season’s Greetings (季節のごあいさつ) と書かれたカードを送るのが一般的のようです。
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